オカヒデの「楽しい模型道!」

第二弾

ドイツⅢ号戦車L型

今回はドイツのⅢ号戦車L(J長砲身)型をアップします。

 このキットは今から約22年前に発売されたもの(キットには「L型」と記されていますが、最近の資料では「L型」というタイプは見つからず、かわりに「J長砲身型」とされているようです。)ですが、かなり組みやすく初心者にも作りやすいキットだと思います。ただし、エアフィルターのメッシュグリル部分が別売りのエッチングパーツ(700円弱)となっており、取り付けたい場合はお取り寄せする必要があります(アマゾンで購入可)。

タミヤ 1/35 ドイツⅢ号戦車L型(1997年)

 私はめんどくさかったので、市販の0.9㎜ステンレスメッシュを切って取り付けました。(エッチングパーツの方が絶対に簡単でうまく行くとは思いますが。)

最初は砲塔内の塗装から。

 今日日の戦車は、まるで飛行機模型のように車内が割と精巧に再現されているので、飛行機のコクピットを作る場合と同じように砲塔内の塗装から取り掛かります。(どうせ完成したら見えなくなるのですが。)

 随分とはしょってしまいますが、キットはとても組みやすいのでここまで一気にできてしまいました。(なので、途中で写真を撮り忘れました。)

 キットをくみ上げる過程で、後から塗装できなくなる部分もあるため、車体の基本色(今回はドイツ軍の標準色であるダークイエロー)を吹き付けています。  ダークイエローはMr.カラーを使用しています。

 ただし、途中で一カ所操縦席前のスペースドアーマーは、そのまますんなりとはおさまってくれなかったので、洗濯ばさみで矯正しました。

基本色のダークイエロー塗装完了

 塗装をどのようにするか?いつも悩むところです。キットに用意されたデカールは全部で5タイプあり、そのうちの3タイプはジャーマングレー又はダークイエローの単色です。

 塗りやすさから言えば断然単色ですが、それではちょっと面白くないので、今回は本キットのボックスアートの例であるダークイエローベースにダークグリーンの吹き付けを施した状態を再現します。

宝島社 2018.8.12発行

 今回、実に久しぶりに戦車を作るにあたり、上掲の「ドイツ軍戦車大全(宝島社)」(以下「戦車大全」と表記)を参考としました。

 同書にも書いてある通り、実際のドイツ軍戦車をカラーで撮影した写真はほとんど存在しません。このため、同書では最新技術によりモノクロ写真をカラー化しているのですが、その作業にあたっては、それなりの証拠資料に基づいていると思われるので、私は今回この資料を信じて塗装することにします。

 キットの説明書によれば、この塗装例は1942年9月のロシアとされています。

  一方、戦車大全によれば、ドイツ軍戦車の標準塗装がダークイエローに統一されたのは1943年2月から。それ以前、1942年ころから北アフリカ戦線向けの塗装に変化がありその一部が東部戦線に送られた可能性があるとされています。

 上記の事情を勘案すると、ダークイエロー地にダークグリーンの迷彩は、タミヤの時代考証に間違いが無いとするなら、かなり前期の塗装と推測され、その場合ダークグリーン(戦車大全によればオリーブグリーン)は前線において即席で塗られた可能性が高いと判断しました。なので、ボックスアートでも再現されているように、グリーンの吹き付けは、かなりザックリとでいいのかな~?と判断しました。

緑のジェルインクボールペンで下描きした状態

 今回初めての試みとして、グリーンを吹き付けるためのガイドとして、説明書を参考に、予め緑のジェルインクボールペンで下描きをしてみました。

 写真は砲塔だけですが、車体も同様に下描きしました。(またまた写真撮り忘れました。)

 このあと、先ずはタミヤの説明書に従ってタミヤカラーのXF-61(ダークグリーン)を吹いてみたのですが、これがイメージと全然違ってました。ちなみにタミヤカラー(エナメル系)を使った理由は、失敗したら拭き取れるようにという予防措置でした。

 タミヤカラーXF-61は赤みが強すぎて、戦車大全の写真はもちろん、ボックスアートの色調ともかなりかけ離れてしまいます。このため、XF-61は早々に使うのをやめて下地からやり直しました。 

 改めて、タミヤカラーのXF-26ディープグリーンをベースにXF-11暗緑色などを混ぜてイメージに近いものを作りました。(自分で調合したグリーンは戦車大全の記述に従い「オリーブグリーン」と呼ぶことにします。)

 オリーブグリーンは薄め液でゆるゆるに溶いて使用します。ハンドピースも限界まで細く絞って使用しましたが、何せ年季が入り過ぎているので、 霧が安定せず苦労しました。新しいハンドピースが欲しい!

 なにはともあれ、一応、大まかに車体の塗装は完了。ここで反省点を一つ。今回オリーブグリーンの吹き付けを行うに際し、緑のボールペンで下描きをしましたが、その際全ての線を実線で描いてしまいました。この下描きの線は塗料を吹き付ければ簡単に塗りつぶされて見えなくなると思たのですが、実際にはなかなか塗りつぶせず、おかげで思っていたよりもオリーブグリーンのぼかしが濃くなってしまいました。

 下描きの線は破線にするなどして、必要最小限度にすべきでした。この点、転輪のぼかし塗装は下描きをしていないので、イメージ通りに塗れました。

次にデカールを貼り、付属品を取り付けます。幸い、今回デカールは割れたりせず、問題なく貼れました。

 メタル部分は説明書どおり、タミヤカラーのXF-56メタリックグレーで塗装しました。

牽引用ワイヤーは材質ごとに色を使い分けて塗ります。

 付属品を取り付け終わったところで全体を一回、つや消し入りクリアでオーバーコーティングしました。その目的はデカールの保護と、この後に行うウエザリングの際、吹き付け塗装を消さないようにするためです。しかし、本当のところオリーブグリーンの吹き付けは案外失敗無く一発勝負で塗れたので、最初からMr.カラーで塗ってもよかったかな?と思います。

Ⅲ号戦車(ド新車状態)完成!?

 というわけで、ドイツ陸軍Ⅲ号戦車完成~!といっても、これでは行ってみればド新車状態。カーモデルならそれでOKですが、スケールモデルとしてはちょっとリアリティなさすぎです。そんなわけで適度にウェザリングを行います。

薄めたフラットブラウン(タミヤカラーXF-10)で錆を演出

 実際のⅢ号戦車に錆が浮いていたかどうかは分かりませんが、ボックスアートでもボルトやヒンジ部分に赤錆が浮き出た状態が描かれているので、これに倣って赤錆を再現してみました。使用した塗料はタミヤカラーのXF-10(フラットレッド)です。 これを、これまたゆるゆるに溶いて錆を出したい場所に点付けし、さらにそこをうすめ液を付けた筆でなぞって、それらしくぼかします。

 付属品も同じように、少々錆びさせます。

※ 私はリアリズム主義なので、大げさなウェザリングは好みません。なので少々地味めかもしれませんが。

車体左側のジャッキとバールも錆びさせました。
車体右側も同様に!
仮の完成!

 ということで、これで一旦、仮の完成とします。後日フィギュアを塗って乗車させ、ちょっと泥汚れも施す予定です。しばしお待ちを!

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